安藤が本棚に向かってこう叫んでいるのをたまたま聞いた。
「思い出して下さい」
それなりにショッキングで。
あの病弱な安藤が何をそんなに怒っているのかもわからないまま、
なんだか不気味だったのでその店をすぐに出たけれど。
今思えば聞いてやればよかったな安藤に…。
結局あの後すぐに発病して地方の隔離病棟に入れられてしまったとか。
まあ、半分くらい関係ない話だな。
安藤の悲痛な叫び声が耳から離れないままに
バイト先の先輩と飲み会に行き、
日付が変わる頃にはすっかり彼のコトなんて忘れてしまっていた。
そういう風に良く出来ている世の中。
そうやってここにこんな文章を書いている事だって忘れる。
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